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第21回 株式会社プロポーションシーツー 様

2011.12.22

株式会社プロポーションシーツーは、パッケージデザインをメインに幅広く活躍されているデザイン会社です。単にデザインのみを行うのではなく「消費者を捉える力をもつデザイン」とは何かを常に考え、コーポレイトコミュニケーションシステムやデザインマネジメントコンサルティングなども行っています。

デザインをクライアント企業における経営資源の一部として位置付け、企業と消費者のコミュニケーションにズレが生じることのないクリエイティブの実現を目指し、活動されています。 会社名の「PROPORTION.C2」は、比率やバランスの“Proportion”、物事の中心である“Core”、未来や“2”からなるセカンドステージを意味しています。 

今回は、“薬用せっけんミューズ♪”で有名なミューズのパッケージのデザインを担当されたデザイナーの藤野さん、大西さんから『ミューズ泡ハンドソープW』の制作を通して、パッケージやアテンションシールのデザインにおけるフォントの役割についてお話しいただきました。

新しい薬用石鹸ミューズのパッケージ制作への取り組み方

薬用せっけんミューズは、本当に昔から親しまれている商品ですよね。そんなナショナルブランドであるミューズから新しく泡タイプの石けんが発売されることになり、そのデザインを担当することになったのです。もともとある固形石けんや液体石けんからの新しい取り組みなので、ミューズ本来の持つブランドイメージから脱却しないように、さらには新しさをどのように表現するかを制作ポイントとして、クライアントのレキットベンキーザー・ジャパン株式会社さんと紆余曲折しながら、リピートされやすい商品パッケージの制作を進めていきました。

具体的なデザインコンセプトでは、殺菌力や消毒力、肌にやさしいという安心感、家族全員で使えるようなファミリー感があるものに加え、泡タイプの新しさを表現しておしゃれに仕上がるよう、よりシズル感が伝わるように心がけました。 

ブランドイメージと書体のイメージ

最初の問題だったのが今までのミューズのイメージをどこまで壊さずに持っていくかでした。ロゴマークに手を加えると今まで積み上げてきたブランドイメージを変えてしまう。そのため、手書きで書いてあるこのロゴマークはそのまま残そうということになったんです。

このロゴマークに合うヘッドコピーにどの書体を持ってくるかを話し合い、複数の書体で実際にコピーを組んで比較し、最終的に優しい雰囲気をもつ[丸ゴシック体]の[スーラ]を採用しました。[スーラ]を選んだ理由は、ロゴマークとの統一感を持たせるだけでなく、ミューズがマスマーケティングに沿った商品だからでした。このような商品には、パッケージを見るだけで瞬時にどのような商品であるかをお客さんに判断してもらうことが大前提にあるんですね。癖が強い書体やセリフが付いているような書体は、商品の情報を瞬時に伝えることには向いていないんです。そこで、最大のポイントとなる視認性・判読性を重視し[スーラ]に決めました。もちろん、親近感を持てるデザインだというのも大きな決め手でしたよ。 

書体選びの他にも、シャボン玉のようなバブルでなく、ツノがピンっと立ってるクリーム状のフォームがバルクから出てくる“泡タイプのせっけん”だということを全面に押し出したデザインにしたかったので、泡の形状やグラデーションの入り方にも何度も吟味を重ねました。 

特に店頭ではより多くのお客様の手に取ってもらえるよう、容器本体のデザインに加えてアテンションシールの作成にも工夫を凝らしましたよ。例えば、統一した色を使った容器にデザインするのには少しためらってしまうブルー系の泡をアテンションシールにデザインすることで目を引くように、またフォームがバルクの先から出ているようなイメージを表すようにするなど、容器本体とリンクした仕掛けを作り、より良く商品をアピールすることができていると思います。ここでも本体との統一感を意識し、飽きがこない耐久性があるデザインになるよう、[スーラ]をメインの書体として使っています。

 

デザイナーの感覚と経験で書体を選んでいます

ミューズの他にも、さまざまなパッケージにフォントワークス書体を使ってデザインしていますよ。特に私がよく担当する店頭販売用の化粧品パッケージなどには、第一印象で商品の情報を受け取ってもらいやすいように[ゴシック体]をヘッドコピーに、じっくり読むようなものには[明朝体]を本文に使ってデザインすることにしています。 駅のサインのように瞬時に分かってもらいたい情報を[ゴシック体]で表し、書籍のような読み物には[明朝体]が使われているのと同じでしょうね。 

そういった基本的な考え方を持った上で、ヘッドコピーに[ロダン]をよく使っています。商品のデザインスペースは限られていますので、その中でもバランスよく配置することが大切になってきます。そのため、字面の大きすぎる書体よりも[ロダン]のように少し丸い感じの[ゴシック体]だと親しみやすくて使いやすいんですよね。もちろん、複数の[ゴシック体]を組みながら決めていくのですが、感覚的にしっくりくるなと思うのを選ぶと自然に[ロダン]を使ってるものが多くなっているような気がします。感覚的に選んでいると思っていますが、結局は経験値が占めるウエイトも大きいのかもしれませんね。 

新しい書体はデザイナーにとって大きな武器ですね

今では当たり前になったフォントのライセンス方式も、更新が一年ごとにあるんだったら正直あまりパッケージの時と変わらないんじゃないかと思っていました。もちろん、当時は更新の手間だけが頭にあったのですが、運用してみて初めてたくさんの書体からフォントを選んで使えるっていうのがすごく良いところだなって思いました。 

文字っていうのは、言葉と一緒で生き物だと思うんです。何年か経つと、言葉の言い回しとともに書体そのものが風化していくようなところがありますからね。そのため、毎年出てくる流行りものの書体や、今まで使っていた定番のような書体をいつでも使えるっていうのは画期的でした。制作している私たちにも新鮮なアイディアが入ってきますし、デザイナーとして書体の選択肢が増えるということは武器が1つ増えるということなので、これ以上心強いものはないと思っています。

デザイナーからの要望です

フォントの導入方法がライセンス方式になることによって、直接フォントワークスとつながりができたこともLETSのメリットの1つだと思っています。新書体のコンセプトや、その他のアプリケーションの使用法などを電話で質問できるだけなく、直接訪問いただいて詳しく教えていただけるからです。ただ、“この雰囲気にはこの書体を使うとより効果的だ”などの情報提供が多ければデザイナーとして安心して仕事に取り組めます。「LETS FontACE」で書体や素材のインストールがさらに便利になって使用頻度も増えたので、「LETS FontACE」を媒体とした情報提供があればもっといいですね。(藤野さん) 

化粧品のパッケージを多く扱ってるので、スリムでかわいらしい書体が欲しいです。やはり、化粧品だと美しい感じを追求するので、今ある書体にもたまに長体を掛けて使うことがあります。とくに[キアロ]とかは良くそうしますね。少しだけ個性があって、でも使用場所を限定されにくい書体がこれからも増えるといいと思います。(大西さん) 

<編集後記>
今回取材にご協力いただいたデザイナーのお二人に「人は商品を見る際に、自分に必要なものかどうかをわずか0.5秒で判断する」ということを教えていただきました。そのため、第一印象でどれだけ伝えたい情報を分かりやすく、より魅力的に表せるようシズル感を持たせたデザインにすることなどを大切なポイントとし、日々の制作に取り組まれているということでした。弊社でも、さらに伝わりやすいデザインワークのお役に立てるよう、より一層努めて参りたいと思います。

企業情報

社名 株式会社プロポーションシーツー
所在地 東京都品川区大崎1-17-17
TEL 03-5436-1012
FAX 03-5436-0039
URL http://p-c2.com/

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