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第26回 若年者ものづくり競技大会
<協賛報告>

2012.10.25
フォントワークス株式会社(福岡県福岡市博多区)は、2012年8月8日(水)に岩手産業文化センター(アピオ)にて開催された「第7回 若年者ものづくり競技大会」に、この大会コンセプトとフォントワークスの理念が一致したため、協賛として参加させていただきました。

大会概要

大会名 第7回 若年者ものづくり競技大会( 公式サイト
主催 厚生労働省/中央職業能力開発協会
場所 岩手産業文化センター(アピオ)
日時 2012年8月8日(水)
若年者ものづくり競技大会とは、技能習得中で、企業等に就業していない20歳以下の若年者を対象に行われる大会です。若年者のものづくり技能に対する意識を高め、一人前の技能労働者に育成していくために必要な技能習得目標の付与や、技能を競う場の提供で、技能を向上させることにより、若年者の就業促進や技能者としての裾野の拡大を図ることを目的としています。

競技で使用するフォントを提供

今回の大会開催前に、若年者ものづくり競技大会グラフィックデザイン競技委員会からご相談をいただくなかで、フォントワークスとしても、より多くのグラフィックデザイナーを目指す若者達にデザインに必須な様々な書体について興味を持っていただき、今後の活躍に役立てて欲しいと考え、フォント提供を決定いたしました。
14種類ある競技職種のうち“グラフィックデザイン職種競技”で用いられる全てのマシンに、基本的な書体である明朝体、角ゴシック体、丸ゴシック体のOpenTypeフォント合計42書体のインストールを行い、競技課題の制作に取り組んでいただきました。
グラフィックデザイン職種の競技は、出題された共通の競技課題を規定の時間内(5時間30分)においてデザインする課題制作作業と、作品のデザインコンセプトや作業内容などの要点をまとめたプレゼンテーション(2〜3分)により評価が行われました。
1つの競技課題より、競技選手それぞれに作り出されるデザインのバリエーションの豊かさから、今後の日本のデザインを担う若年者に頼もしさを感じる大会でした。フォントワークスは、これからも心の伝達方法である文字を通じて、社会に貢献してまいります。

講評 グラフィックデザイン 競技主査 平田 克二 先生(早稲田大学環境総合研究センター招聘研究員)

「グラフィックデザイン」とは、目に見える事柄全てを対象とし、より豊かな表現により生活に「彩り」を生み出すことができる、人間の感性に直接関わる創造的な仕事です。現在、産業のデジタル化とともに、表現と制作の両面でデジタルな世界と密接に関係し、急速な進歩を遂げています。

この大会では、国際大会の基準や内容から競技課題を設定しています。コンピュータの操作速度や熟達度合いだけではなく、与えられた厳しい条件の中で、課題意図を汲み取りデザインを生み出す理解力と構成力、そして共感を生み出すプレゼンテーションの力などが総合的に求められます。 

今回の大会では、2011年10月にイギリスのロンドンで行われた第41回 技能五輪国際大会(WorldSkills London 2011)でのグラフィックデザイン職種の競技課題(ジーンズなどの古着をリサイクルして作った、パッチワークデザインのファッションをアピールする販売促進ツールとして、ポスターとプレス用宣伝広告の作成)をベースとして、国内大会向けにアレンジし競技が行われました。制限時間や競技課題の細かい指定など、この年齢の競技者に対して難しいと思うところもありますが、この世界で仕事をする上では必ず必要になる知識や技能です。今まで学んできた知識や技能を駆使し、ターゲットに応じた面白いアイデアを充分に発揮できる場になったと思います。 
審査の評価項目として、アイデアやオリジナリティなどデザイン性を問う主観評価と、データとして適切か、求められる仕様を満たしているかどうかを判断する客観評価があります。客観評価については、正しいかそうでないかの採点のみですが主観評価では、プレゼンテーションでのデザインコンセプト発表などをもとに、作成方法として正しいのか、配色の選定はどのように行っているのか、理論に裏打ちされたデザインなのかなど制作過程を含めた採点をしています。日本の教育課程や大会への準備期間を考慮し、国際大会の評価項目から採点配分を調整したところもありますが、世界のクオリティにも劣らないのではないかと考えています。 

大会も回数を重ねていくにつれ、提出作品のレベルが上がっていることは見て取れます。今回はパソコンに標準のフォント以外にも、一般にグラフィックワークを行う上で必要な書体を複数ウエイトで競技用に用意したのが大きな要因ですね。過去の大会では、タイポグラフィを含めて文字組みなどにあまり意識がないようでしたが、今回の大会においては文字の使い方を気にしているのがはっきり分かりました。まだまだ勉強が必要なところも多く見られましたが、競技選手もポイントとして書体を選定して配置しているというのが、全ての競技審査員一致の意見でした。今後も、DTPなどの競技課題に取り組む環境を整えることや大会のアピールをすることで若年者の技能向上を応援していきたいと思っています。

第1位【厚生労働大臣賞】 学校法人電子学園 日本電子専門学校 加藤 敦史さん

競技課題として出された2種類の販売促進ツール(ポスター、プレス用宣伝広告)にコンセプトとして“融合と期待感”が表現できるようデザイン作成を行った。デザインしたポスターについては、文字数は少ないが情報として大切なものばかりなので、読み取りやすいように白背景に。また、多色配色を施したジーンズとのコントラストをつけることで、ジーンズの力強さをアピール。プレス用に関しては文章をセンターに配置、主題画像からの視線移動を無理なくすることで、文章も読んでもらうことを意識されている。フォントは、細めの筑紫ゴシックを使い、全体のデザインのシンプルさやブランドコンセプトの真面目さを表現した。

第2位 学校法人電子学園 日本電子専門学校 菅野 あやめさん

第3位 岩手県立産業技術短期大学校 侘美 浩平さん

敢闘賞 河原デザイン・アート専門学校 兵頭 勝太さん

大会風景

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