フォントコラム FONTSTORY
筑紫書体シリーズ
「筑紫書体シリーズ」は、フォントワークスを代表するフラグシップフォント。
明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体や、見出し書体や新聞書体といった専門性の高いデザインまで、豊富なラインナップを提供しています。
金属活字の滲みを再現しながら新しさを取り入れ、均質的ではなく文字本来の形をいかした字形デザインが、「懐かしさ」や「あたたかみ」を生み、見ている方に「郷愁」を感じさせます。一文字一文字の美しさはもちろん、文字組みした時の、文字同士が呼吸するような美しさは、今までのデジタルフォントとは一線を画します。
テレビテロップやゲームなどのデジタルコンテンツ、書籍の装幀やパッケージデザインなどの紙媒体まで、どのような媒体に使用しても、「高級感」や「緊張感」を与えてくれる稀有な書体です。
東京TDC賞2010 | 筑紫オールド明朝、筑紫丸ゴシック |
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2017年度グッドデザイン賞 | 筑紫書体シリーズ |
東京TDC賞2018 タイプデザイン賞 |
筑紫オールドゴシック-B、筑紫アンティークゴシック-B、筑紫アンティーク明朝-L、筑紫Q明朝-L、筑紫Aヴィンテージ明朝-R、筑紫Bヴィンテージ明朝-R |
■東京TDC賞
東京TDC賞は、文字の視覚表現と、視覚コミュニケーションのさらなる研究・研鑽を目的に、1987年に任意団体「東京タイポディレクターズクラブ」が主催する、タイプデザインのコンペディションです。
公式サイト:http://tdctokyo.org/jpn/
■グッドデザイン賞
グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
公式サイト:http://www.g-mark.org
フォントラインナップ
【明朝体】文字固有の形を活かす明朝体
筑紫書体の明朝体の漢字は、明治期に生まれた活字の“正方形の文字”という従来の明朝体より、さらに文字固有の形を活かすスタイル。
「横画起筆の滲み柔らかなウロコ」「柔らかい縦画ハネ」「右ハライの伸び」などが特徴的です。
これら筑紫書体シリーズの明朝体のなかで「最も革新的な明朝体」、「明朝体を超えた明朝体」ともいえるのが「筑紫Q明朝」です。
特徴的な、キュッと絞った小さなフトコロと、そこから伸びる長い手足のようなハライが、明朝体の枠を超えたダイナミックで伸びやかな表情を作り、手書き風の「かな」とともに、横組みではあたかも筆記体のような一体感とリズムを、縦組みでは日本語固有の縦書きのリズムを生み出します。
名前の「Q」は、書体をご覧いただいた方の「?(Question)」「これが明朝体?もはや筆書体では?」という疑問を反映させたものです。書体の魅力を最大限に表現しました。
【ゴシック体】柔らかさを持つゴシック体
「筑紫ゴシック」「筑紫オールドゴシック」「筑紫アンティークゴシック」は、角ゴシック体というくくりでは同じでも書風の見え方はかなり幅があります。
「筑紫ゴシック」は、筑紫明朝の「骨格」や「柔らかな縦画ハネ」「ハライ終端の筆の流れ」を意識した書体。「筑紫オールドゴシック」は、金属活字時代に存在していたかのようなゴシック体をイメージしながら、全く新しく設計した書体。
そして「筑紫アンティークゴシック」は、ゴシック体ラインナップの中で、文字のプロポーションが最も美しい書体で、「風情」や「情感」を最も濃く表現します。
【丸ゴシック体】オールドスタイルの丸ゴシック体
筑紫書体の丸ゴシック体は、デジタルフォントの標準的な丸ゴシック体とは一線を画し、下記の「筑紫書体全体図」が示すとおり、ふところの広い現代風なデザインではなく、ふところを絞ったオールドスタイルの丸ゴシック体です。
「漢字」は幾何学的な直線処理ではなく、温かみのある丸みを帯びたラインを意識して設計しています。「かな」や「英数字」はニュートラルなデザインのAタイプと、オールドスタイルのBタイプの2パターンがあります。
【筑紫書体のアンカーポイントについて】
筑紫書体のアンカーポイントは、驚くほど少ないと言われています。
このアンカーポイントの少なさが、筑紫書体の有機的なフォルムを形作り、また美しい表示にも一役かっています。4Kや8Kなどの高画質モニタが多くなるなか、表示される媒体に左右されることなく美しい文字表現が可能です。
詳細はこちら(https://fontworks.co.jp/column/archives/24)
筑紫書体シリーズは、年間定額制フォントサービス「LETS」でのみご使用いただけます。